生死の境界線があると噂される町、楽寺坂。

古より続く幽宮神社を据えたその土地には、
いっそ誇らしいほどひっきりなしに幽霊が出没する。

ゆえに、楽寺坂中学校お祓い部は今日も楽しく、
一筋縄ではいかない霊達の謎や秘密に挑んでいた。

それが日常だった。それが平穏だった。

次に、月が満つるときまでの――


小さな町で暮らす小さな彼らは、いつのまにか世界の変革に巻き込まれていく。